こちらのページでは猫ちゃんと生活を共にする上で必要な基礎的な知識、しつけ方やお手入れの方法、食事においての注意点等をお伝え致します。
猫ちゃんと健やかな生活を過ごせますよう、お役に立てましたら幸いです。

猫について

猫は快適な環境が整っていれば家の中でも十分暮らしていく事が出来ます。
散歩も必要ないので、手間もそれほどかかりません。
品種や性別で性格も変わってきますので、ここでは一般的なポイントを説明します。

毛質
短毛種
活発で気が強い面があります。日常の手間はあまりかからず物覚えも良いです。
長毛種
毎日のブラッシングが必要。物静かなタイプが多い。
性別
男の子
行動力があり積極的
女の子
気性がきつい

去勢をしていないオスはテリトリーを示すためマーキング行為を行い、メスは発情期になると甲高い声で鳴き、迷惑行為となる場合があります。
避妊・去勢を行うとどちらも甘えん坊になり、室内飼育に適した状態で生活する事ができますので、交配させるつもりがなければ不妊手術を獣医師に相談される事をお勧めします。

猫の目について
猫の目はビー玉のように澄んでいて表情が変わります。
これは表面の角膜部分が湾曲していて光を採り入れる水晶体が大きいためです。
また、大きな特徴として光の量で瞳孔の大きさを調節するため、暗いところでは丸く大きい瞳孔になり、光の強い所では瞳孔を閉じて縦一本の細い目になってしまいます。
このように猫は目の表情だけでも全然変わってくるのです。

猫の目のすごいところはこの光の加減で瞳孔を調節して、できるだけ多くの光を集められる事です。
これによって暗い所での狩りも得意なのです。

猫の耳について
猫は人間では聞き取る事の出来ない高音を聞き取ることができます。
人間が聞き取れる聴力は2万ヘルツと言われており、猫は3倍の6万ヘルツと言われています。
似たような音も識別する事ができる特性もあるので、フードを開けたりする音でご飯かどうかもわかっちゃうのです。

猫の鼻について
猫の鼻は自分の縄張りやメスの匂い、食べ物の識別をする役割があります。
猫は味覚が発達していないので、匂いで食べ物を判断します。

猫の舌について
猫の舌は表面に細かい突起の乳腺がたくさんついているので、やすりのようにざらざらしています。
この突起を使って骨についた肉をそぎ落としたり、毛づくろいをするときのブラシの役割をしています。

猫の足について
猫の特徴として物音をたてずに歩く特性があります。
知らないうちに隣に居たり、さっきまで傍に居たのに気が付いたらいなかったり…
猫は爪を出したりしまったり出来るので音を立てずに歩けるのです。
また、肉球も防音効果に役立っています。

猫の尻尾
猫の尻尾はさまざまで長かったり短かったり、まるかったり様々あります。
尻尾はバランスをとったり感情を表現するのに重要な役割を担っています。

猫の被毛

猫の被毛は猫種によって毛質や感触が違います。
一般的には性質の違う毛が3種類生えています。
猫は1つの毛穴からだいたい10本程度の毛が生えており、背中が少なくお腹にかけて濃くなります。

猫の毛は上毛(長くて粗い毛)、下毛(短く柔らかい毛)と分けて生えており両方生えている猫種、どちらか一方の猫種とさまざまあります。

【上毛】
ガードヘアーと呼ばれ水をはじき、皮膚を保護する役割を果たしています。
被毛の中で一番長く、硬く太く真っすぐ生えています。

【下毛(オーンヘア)】
上毛と同様に水をはじく事と保温の機能を果たす役割となります。
上毛ともう一つの下毛(ダウンヘアー)との中間の毛となります。

【下毛(ダウンヘアー)】
一番短い毛で換毛期によく抜ける毛になります。
皮膚に密生して生えており、服やソファーにつきやすい毛になります。

毛の生え方による分類

猫は二重の毛を持っているダブルコートと一重のシングルコートと呼ばれる毛のタイプに分けることができます。

【短毛種】
ダブルコート
アンダーコートの上に短いオーバーコートが生えているタイプ。
アビシニアン、アメショー、ロシアンブルー…
シングルコート
アンダーコートのみか短いオーバーコートが生えているタイプ
シャム

【長毛種】
ダブルコート
アンダー、オーバーコート両方が長いタイプ
チンチラ、ペルシャ、メインクイーン
シングルコート
オーバーコートのみのタイプ
ソマリ、アンゴラ

猫の毛色

猫の毛色はさまざまで同じ猫種でもクラブで呼び方が違ったり、同じ毛色でも猫種によって呼び方が違ったりします。
ここでは一般的な毛色について説明します。

タビー:縞模様の毛色
キャリコ:白地にクリーム、レッド、ブラックの班
セーブル:濃い茶褐色
ソリッド:単色の毛
トーティ:ブラックにレッドとクリーム

ネコの完全室内飼いのススメ

猫は外に出さなくても飼える動物です。狭い空間でも大丈夫。
外に出られなくて可哀想だと思うのは人間の感覚です
テリトリーとしての安全と食料が確保されていれば、狭さはあまり問題ではありません。

◎ネコを外に出す方がかわいそうな思いをさせる可能性が大きい

<外でネコを待ち受ける危険!!>
1.伝染性の病気に感染
2.喧嘩によるケガ
3.交通事故
4.虐待や捕獲
5.ノミ、ダニ、寄生虫

予防するワクチンがない感染病は、外に出さないことが一番の予防策といわれています。
・ネコ免疫不全ウイルス感染症(ネコエイズ)
・ネコ伝染性腹膜炎
・トキソプラズマ症
・ネコ伝染性貧血(ヘモバルトネラ症) など

猫の約6割は猫白血病や猫エイズ(ネコ免疫不全ウィルス感染病)にかかっているという、統計があるそうです。
伝染病はネコどうしの接触(ケンカなどのかみ傷)から感染する場合や発病しているネコから排泄されただ液、鼻水、便、尿が直接または間接的に、口や鼻から感染します。
交通事故にあう動物は後を立ちません。
世の中には猫が好きな人ばかりではありません。
猫を虐待して捕まった人のニュースも最近では増えてきました。
ノミや寄生虫から重い病気にかかる可能性もあります。
(ネコ伝染性貧血(ヘモバルトネラ症)など)
あなたの猫ちゃんが病気や怪我・・・・死んでしまってから後悔するよりも完全室内飼いにしましょう。

◎ネコを外に出す事で飼い主も大変

1.近所迷惑
2.排泄物による環境汚染
3.ノミ、ダニ、寄生虫
4.猫の病気、怪我の治療費
5.猫の看病
6.心理的ストレス

猫が外にでて何をしているか知っていますか?
毎日後をつけて見張るわけにも行きません。
外に出ている時に、ご近所の方が大切に育てたお花を踏みつけたり食べている可能性もあります。
好きな場所にウンチやオシッコをするでしょう。
生ゴミを漁る猫を見たことがありますよね。
例えネコのしたこととはいえ、飼っている以上、全て飼い主の責任です。
世の中には、動物嫌いの方・アレルギーの方もいます。
近所とのトラブルはできるだけ避けたいものです。
ノミ、ダニ、寄生虫・・・ネコにとっても病原体でもありますが
体についたまま布団の中や室内に出現している可能性も・・・
もしも病気や怪我をした場合の費用がどれだけかかるかご存知ですか?
猫には保険がききません。
そして、病気や怪我の猫の世話はとっても大変です。
時間的、心理的ストレスは相当なものです。
ましてや、交通事故などでが亡くなるような事が起これば・・・・・
完全室内飼いをする事で、リスクを最小限にする事ができます。
事前に防げることは、防ぎましょう!

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◎マンション.アパート飼いの場合

集合住宅には共有スペースが多く、一戸建ての家のように
ネコを自由にさせるのはマナー違反です。

1 部屋の外には出さない
2 ベランダではおとなしくさせる
3 ベランダで毛をすかない
4 ベランダにトイレを置かない
5 夜は眠るようにしつける
6 防音.消臭をしっかりする

猫の血統書

日本での2大血統登録団体は
CFA「THE CAT FANCIERS’ ASSOCIATION, INC.」
TICA「THE INTERNATIONAL CAT ASSOCIATION」
です。

CFAは、25年の歴史を持った日本最大の
猫好きの集合団体で会員数は6500を超え、
キャッテリーネーム(猫舎号)の 登録者は900名を
超えているようです。

TICAは、純血種およびハウスホールドペット(HHP)猫の
世界最大の血統登録機関で、キャットショー公認機関
としても世界的に有名な団体です。

「CFA」「TICA」の元はアメリカの血統書団体です。

ハウスホールドペットとは、一般手に多く見られる猫の事です。
ようするにミックスキャットの事です。

「CFA」と「TICA」に属している公認キャットクラブや
任意のキャットクラブでも血統書は発行しています。
しかし「CFA」「TICA」共に公認キャットクラブであっても、そうでなくても、独自に血統書を発行することは正式には認めておりません。

世界の血統書登録団体
FIFe:スウェーデン(ヨーロッパ最大)
WCF:ニュージーランド
GCCF:イギリス
ACFA:アメリカ
BMW:ACFA公認の血統書登録協会

猫の行動

猫はしっぽの形で気持ちを表現しています。

①    尻尾を垂直に立てている
この状態のときはうれしい時や甘えているとき

②    毛を逆立てて太くする
攻撃態勢

③    山形にする
驚いたり警戒しているとき

④    足の下に入っている
恐怖心を抱いているとき

⑤    しっぽを下げる
しょんぼりしているとき。体調が悪い時

⑥    立ったまましっぽを大きくふっている
見慣れない物を見つけて驚いているとき

⑦    しっぽを大きくふっている
機嫌が良くリラックスしているとき

⑧    しっぽを大きく激しくふっている
いらいらして怒っているとき

⑨    寝ているときに小さくしっぽをふる
呼ばれて起きるのが面倒なので、しっぽで返事をしている

猫は小さなネズミ等を捕るためにかすかな甲高い声や、ほんの少しの動きの音を察知するために、12以上の筋肉を動かして耳を回したり、別々に動かしたりする事ができます。

また、木登りが得意な猫は耳で平衡感覚をとっています。

猫は感覚を察知するのにひげと肉球を主に使用しています。
成長していくとひげの知覚能力で獲物の位置や動きがわかるので、夜間の狩りも容易に行う事ができます。
ひげは非常によく動き挨拶のときには前に向き、餌を食べるときは後ろ向きになります。

猫のひげは左右の口、目の上、ほほ、あごと顔の4ヶ所に生えています。
ひげは前脚の後ろにも生えていて、このひげも敏感に機能します。

猫の鳴き声は猫同士のコミュニケーションで使われている訳ではなく、人間との挨拶や要求する時に使われています。
いつもと違って過剰に泣くときは痛みを伴うケガや何らかの病気の場合も考えられます。

口を閉じている状態で
・ごろごろと鳴くときはいい気持ち
・震え声のときは挨拶

口が開いている状態から閉じた状態で
・ニャーは人への挨拶

口が開いている状態で
・唸るときは攻撃的
・遠吠えのときはパートナー探し

猫のしつけ

猫の社会化期とは人間や仲間の動物と適切な社会的行動を勉強する過程を言います。
子猫の場合は2~9週の時期が社会化期にあたります。
この時期を親や兄弟達と過ごす事で、猫特有のコミュニケーション等を学び人間社会で暮していくための準備をしていきます。
この時期の動物は好奇心旺盛でいろいろな事に興味を示すとともに、いろいろな事にも慣れやすいです。
この時期を小さな箱の中で特定の人や動物しかコミュニケーションできないと、見知らぬ事柄については恐怖心を抱くようになり、臆病な子になると言われています。

次に猫の問題行動ですが、相談件数が一番多いのはトイレと夜鳴きです。
問題行動には必ず原因があります。
私達は猫の言葉がわかりませんのでどういう気持ちで問題行動をとるのか真意はわかりませんが、猫の生活している環境や猫への接し方、行動パターン等で推察することができます。

問題行動の例
・爪とぎ
・不適切な排泄
・マーキング
・捕食行動
・攻撃行動
・常同行動
があげられます。

犬は群れを作ってリーダーの指示に従う習性がありますが、単独生活を送ってきた猫は自分で判断して自分の身を守る習性があります。
猫は飼い主に服従する事がありませんので、猫のしつけは飼い主がリーダーになって行動をコントロールをする事を指さず、飼い主と快適に生活を送るためのルールを作ってそれを守る事を指します。

しつけは子猫の時期に実行すると効果的です。
成猫でも根気が必要ですが不可能ではないので、じっくりと取り組みましょう。

猫はとてもデリケートな生き物です。
新しい環境や飼い主さんの生活スタイルに慣れるまである程度の時間が必要になります。
環境が変わって暫くの間はケージを使用したほうが、人間も猫も安心して生活を送ることが出来ます。
ケージは猫にとっての安全な場所となり、落ち着ける場所となるのです。
最初は鳴いたりする事もありますが、食事やおやつをケージの中で与えていると少しずつ慣れてきます。

まだ人に慣れていない猫を家に放すと思いもよらない場所に隠れてしまい、捕まえられなくなるという事態ったり、ちょっと目を放した隙に電気コード等をかじって感電という事になってしまう事もありますので、ケージを使用しましょう。

ケージには長時間いれっぱなしだとストレスがたまりますので、目の行き届かないときに使用し、普段は自由に出入りできる環境作りが得策です。

ケージを使用する例としては
・人が窓やベランダを開けて布団や洗濯物を干すとき。
・玄関や窓を開けるとき
・人間が食事をとっているとき
・病気やけがで安静にしなければならないとき
等があげられます。

キャリーバッグに慣らす
キャリーバッグは猫とお出かけするときや動物病院にいく時に使います。
若いときは健康で体力もあり、動物病院にお世話になるなんて・・・と思うかもしれませんが、年をとってきたり思いもよらない怪我をしてしまう事もあります。
そんなときのために、キャリーバッグに慣れておく必要があるのです。

慣れていないとキャリーバッグにはなかなか入ってくれず、嫌がる子になってしまいます。

そうならないように、普段から中に入るように練習を行っておきましょう。
例えばキャリーバッグの中で寝る習慣付けを行うとか考えられます。

猫は砂のあるところで用をたす習性を持っています。
このため犬にくらべトイレのしつけで手間がかかるという事はそれほどありません。
トイレは専用の猫砂をいれて発見しやすい場所に設置してあげると、自然とトイレで用をたそうとします。
最初はトイレに行きそうなときに、砂のある場所に連れて行ってあげると、早く覚える事が出来ます。

たまにトイレの場所を覚えられずに失敗してしまう子もいますが、活動範囲の中で出来るだけわかりやすい場所に設置してあげる事で改善する事ができます。

猫は綺麗好きなので、トイレは出来るだけ清潔にこまめに清掃して下さい。

噛み癖のある猫になってしまうといつも生傷が絶えない状態になってしまいます。
社会化期を十分に過ごせていない場合、噛む力加減がわからなかったりしますので、日常生活の中で教えていく必要があります。

噛む加減を猫に教えていくにはいつもと違うトーンで本気で叱ったり、時には無視をして対応していきます。

猫は動くものにとても興味がありますので、人間の足の動きを見て噛んでしまう事もあります。
この場合は噛みそうになったときに、水の入ったスプレーや大きな音を立てると効果的です。(ペットボトルにおはじき等を入れて音をたてる道具等を用意しておきましょう)
猫は噛みつく前に腰を落としたり、目を丸くして足の動きに注目している事があります。
この場合は注意をそらしたりして、事前に気をそらすようにしてあげて下さい。
どちらにしても、根気よく続ける必要があります。

遊ぶ時は人間の体を使うのではなく、必ずおもちゃを使用して遊ぶように心掛けるようにして下さい。

猫は家具や柱、壁等を好んで爪をとぎます。
猫にとっては爪とぎは重要な行動の一つで、爪の手入れをして自分の身を守ったり獲物を捕まえたりする大切な爪なのです。
このため、爪とぎで古い爪をはがして、鋭く尖らせておく必要があります。
また、爪とぎはストレス発散の効果もあるので、猫にとっては必要不可欠な行為でやめさせる事は困難です。

猫に大切な家具や柱等を守りながら、共生していくためには…

①    爪とぎの場所をしっかり教える
爪とぎ器を猫のわかりやすい場所に設置します。
設置場所以外で爪とぎをしようとしたら、爪とぎ器の場所に連れて行きます。
もし他の場所でといでいたら、大声を出すなどして爪とぎ行為をやめさせ、爪とぎ器のある所に連れて行きましょう。
爪とぎ器に前脚をこすりつけてニオイを付けてあげると、自分の匂いがつくので、猫も理解しやすいです。

②    猫が好む爪とぎ
猫は自分のおかれた環境の中で、使い心地の良いものを選んで爪とぎを行います。
猫が気に入る爪とぎは高さが少しあって、ガサガサして爪がひっかかる場所になります。
市販されている爪とぎ器の種類として、ダンボール、木製、カーペット等のタイプがあり、形もさまざまなものがあります。
猫の爪とぎ行動をよく見て、気に入るものを選んで使用して下さい。

③    爪とぎされたくない場所を守る
大切な家具や柱、壁等は飼い主が守るしかありません。
爪とぎがしにくいように、アルミ箔やビニール等で覆う事で爪とぎを避けるようになりますので、大事な場所を守る手立てを考えましょう。

猫のお手入れ

猫は春から夏にかけて抜け毛が多くなり、毛玉を吐く事も多くなります。
毛玉は毎日ブラッシングしてあげても、自分で毛づくろいして飲み込んでしまいますのである程度は仕方がありません。
少しでも和らげてあげるためには日課だと思ってブラッシングをしてあげて下さい。
特に長毛種の猫は飲んだ毛が原因で胃腸の病気や消化不良になったりする事もありますのでケアが必要です。
ブラッシングには毛のツヤや質を保つだけでなく、抜け毛や血行を良くしたりする効果もあります。

長毛種のブラッシング
長毛種の猫は毎日ブラッシングをしないと毛玉が出来てしまいます。
毛玉が出来ると毛が絡まってしまい、カットしないとどうしようもなくなるので厄介です。
最後はカットしないと手当ができなくなるので、まめにチェックを行いましょう。
毛玉は耳の後ろか首のあたり、内股、お腹、尻、尾っぽに出来やすいので、よくブラッシングをしてあげましょう。
冬場は静電気が発生しやすいので、ブラッシング用のスプレーやローションを使用すると効果的です。
目の粗コーム(くし)やラバーブラシを使用するのが一般的です。
スリッカーという金属の細いブラシでも問題ありませんが、痛がって嫌がる猫もいますので、使用するときは注意が必要です。
ブラッシングは顔、頭、足、体の順で行います。
その後、仰向けにしてお腹や内股をブラッシングしていきます。
長年食べ続けると肥満や腎臓病になる場合があり、健康を害する恐れが十分にあります。

短毛種のブラッシング
短毛種のブラッシングは換毛期(春秋)に十分なブラッシングで無駄毛をとる程度で問題ありません。
しかし、スキンシップや健康管理の面を考えると週1回程度はブラッシングしてあげる事をお勧めします。
ブラッシングで必要な物はクシ、硬めのブラシで頭から尻尾に向かってブラッシングを行います。

毛玉の対応
毛玉をほったらかしにしておくと、雑菌がたまり異臭を放つ原因となってしまいます。
小さい毛玉であれば軽く指でほぐして、クシでとかせば元に戻ります。
ダメな場合はハサミで切れ目を入れて、毛先からクシを入れて切ります。
ハサミは万が一猫の体を傷つけないように先の丸いものを使用しましょう。

猫は元来水の少ない場所で生活をしていたので、水にぬれる事が大嫌いです。
水の恐怖心が強いので子猫の頃から少しずつ慣れさせて、恐怖心を和らげていく必要があります。
短毛種の猫はシャンプーの必要はありませんが、家庭で暮らしていく事を考えると2、3ヶ月に1回位はシャンプーをしたほうが良いでしょう。
長毛種の猫は毛が長い分汚れますので、1ヶ月に1回はシャンプーをしてあげましょう。
また、頻繁に洗いすぎると毛のツヤがなくなったり、皮膚が荒れたりしますので気をつける必要があります。

シャンプーをするときに必要な物
シャンプー、ブラシやコーム、タオル、ドライヤー

シャンプーは人間用の物ではなく、猫用の物を準備して下さい。
人間用の物は皮膚炎や抜け毛の原因にもなりますので、使用しないで下さい。
皮膚の弱い猫の場合は動物病院で低刺激の物を紹介してくれますので、皮膚の弱い猫の場合は相談して見て下さい。

★シャンプーの仕方★
①    ブラッシング
毛のもつれをほぐし、汚れが落ちやすいようにブラッシングを行います。

②    体を濡らす
ぬるめの湯で体の後ろの方からお湯をかけていきます。
勢いよくかけてしまうと猫がびっくりして、興奮してしまいますので水しぶきがでないようにやさしくかけてあげて下さい。

③    シャンプー(前洗い)
シャンプーを泡立てて軽くもむようにまんべんなく体になじませて、さっと汚れを落とす程度に洗います。

④    シャンプー(本洗い)
毛の流れに逆らって地肌をマッサージする感じでもみ洗いをしていきます。
頭や顔はスポンジを使うと綺麗に洗え、やりやすいです。
しつこく洗ったり、骨に指先があたると猫は嫌がりますので注意が必要です。

⑤    すすぎ
すすぎは上から下へ頭、体、足の順番で流していきます。
シャンプーと同様に水の勢いに気をつけてすすぎ残しがないように気をつけましょう。

⑥    タオルで拭き取り
バスタオル等で水気を拭き取ります。
顔の周りはやわらかい布を使用してあげましょう。
耳の中に水が残っている事もありますので、脱脂綿で拭いてあげましょう。

⑦    ドライヤーで乾燥
短毛種は自然乾燥でも大丈夫ですが、長毛種はほっておくと毛が絡んでしまいますので、ドライヤーでよく乾かしてあげる必要があります。
ブラシでとかしながら完全に乾かす事が重要です。

爪切りは家具や柱、壁等を守るためには効果的な手段です。
爪切りは幼いころから爪切りをして慣れさせていれば、そんなに手間はかかりません。
足の先を摘まんで爪をキュッと出させて爪をさわったり、足をもみもみしたり肉球をコロコロして足に触られる事に慣れていく事が大切です。
いやがる猫の場合は一度に全部の爪を切ろうとは思わずに、1回1本等少しずつ切っていく事も考えられます。
また、少し遊んでから爪切りを行うのも、一つの手となります。

猫が毛づくろいをしたときにその毛を飲み込み、食道や胃の中に溜まる毛の事を毛玉と言います。
猫は本能的草を食べてたまった毛玉を吐きだしたり、便と一緒に排泄する事で対処していきます。
この毛玉がうまく体内からでないと消化器官の中で大きくなってしまい、胃腸の病気を発症してしまう場合があります。
毛球症や胃炎、下痢や便秘等にならないためにも日常のケアが必要になります。

①    ブラッシング
抜け毛が少なければ口の中に入る毛の量も減ります。

②    猫草
室内飼い猫には猫の草を用意してあげて下さい。
植木や観葉植物には猫には有害なものもありますので、猫の草を用意して下さい。

③    繊維質の食べ物を与える
繊維質の食べ物は胃腸の掃除をしてくれますので、毛玉を排泄するお手伝いをしてくれます。

猫の食事

猫にバランスのとれた食事を与えるためには栄養バランスの整った、総合栄養食のフードを与える事が望ましいです。
食事を一度に食べきらずに残して少しずつ食べる猫もいますので、まずは一日に与える量を決める事が必要です。
与える量を決めたらそれを数回(1から3回)に分けて与えましょう。
量は使用するフードによってカロリーが違ったりしますので、フードに記載されている量を目安に与えるようにします。
猫は草を食べる習性も持っていますので、猫の草も用意があればいいでしょう。
また、猫は偏食の場合が多いので栄養バランスが崩れないように注意が必要です。
人間の食べ物をむやみに与えず、子猫の時期からバランスの良い正しい食生活を心掛けましょう。

猫が健康に成長するには必要な栄養素をバランスよく摂取していく必要があります。
猫が必要とする栄養素はたんぱく質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラルとなります。

たんぱく質
猫の身体に欠かす事のできない栄養素になります。
猫に必要なたんぱく質は人間の5から6倍必要と言われ、たんぱく質に含まれるタウリンと言う栄養素が心臓や視力を維持するために不可欠です。

脂肪
脂肪はエネルギーの素となります。
猫はこのエネルギーの素となるリソール酸やアラキドン酸を作る事ができないため、食事で補完してあげる必要があります。脂肪は毛並みを保つ作用や貧血を防いだりしてくれます。

炭水化物
炭水化物は繊維質と糖質で構成され、人間には必要な栄養素の一つですが、猫の主栄養素は脂肪とたんぱく質なので、必ず必要と言う訳ではありません。
猫は肉食動物なので、糖質を消化するのが苦手で動物性食品だけだと栄養バランスが偏ります。
このため、適量の炭水化物を摂取する事が必要となります。

ビタミン
猫はビタミンCを体内で合成することが出来ますが、ビタミンA、B1、B2、B6、D等は体内で合成出来ないため、食事で補完してあげる必要があります。
与えすぎに注意する必要があります。

ミネラル
骨の形成に必要な栄養素でカリウムとリンが必要となります。
与えすぎると尿中にミネラルが増えすぎると結石が出来やすく、尿路疾患等の病気を発症する場合があるので、他の栄養素とのバランスを取っていく必要があります。

人間の食べ物を猫にあげると猫はとても喜びます。
しかし、人間の食物は塩分や脂肪分が多く、猫の健康を考えると与えない方が無難です。
長年食べ続けると肥満や腎臓病になる場合があり、健康を害する恐れが十分にあります。
中には、猫が食べると重篤な症状に陥る危険な食べ物もあります。

塩分の多い食べ物
猫は汗腺が発達していないため、ほとんど汗をかきません。
猫に必要な塩分は人間の3分の1程度となりますので、人間と同じ食べ物は猫に適していません。

たまねぎ、ねぎ、にら
たまねぎや長ねぎ、にらには、猫の赤血球を壊してしまう成分が含まれています。
猫がこれらを食べると急性貧血を発症したり、血尿を出したりします。
毒性は加熱しても無くなりませんので、十分な注意が必要です。

牛乳、チーズ、乳製品
牛乳等の乳製品に含まれる乳糖を分解する酵素が猫には少ないので、下痢を起こす場合があります。
子猫の時期にミルクを与える場合は、猫用のミルクを与えます。

イカ
よく猫がイカを食べると腰を抜かすと言われますが、これは本当のお話で迷信ではありません。
猫がイカを食べるとビタミンB1欠乏症を起こし、腰がふらつき歩行困難になる事もあるのです。
加工されたイカも食べ過ぎると消化不良や嘔吐の原因になりますので、注意が必要です。

生の豚肉
豚の生肉は人獣共通感染症であるトキソプラズマという原虫のオーシストという卵のようなものが含まれている場合があります。
これがトキソプラズマ症の感染源となります。
加熱するとオーシストは消滅します。

香辛料
香辛料類(わさびやこしょう等)は胃の間隔を麻痺させる事があります。

冷蔵庫から出して直ぐの物
冷えた食べ物はお腹を冷やし下痢を起こしやすくなります。
常温に戻してから与えて下さい。

ドライフードはウェットフードや缶詰と比べると、同じ重量あたりのカロリーが高く効率よく栄養を摂取することができます。
ウェットフードは風味が良いので食べやすいのが特徴ですが、こればかりを摂取していると栄養が偏ってしまいますので、総合栄養食となるドライフードと一緒に与えて栄養のバランスを取る必要があります。